藤本、竜王戦敗退。

 「讃岐うどん未来遺産プロジェクト」の「明治時代の新聞に出てきた讃岐うどん」の編集作業と、新しい麺通団団長のウェブサイトに入れる『インタレスト』バックナンバーのデータ整理作業に追われる中、竜王戦の藤井への挑戦権を賭けた決勝トーナメントが始まった。今日は1回戦、6組優勝の藤本渚5段(18歳)と5組優勝の渡辺和志7段(29歳)の対戦日。将棋連盟のHPで棋譜の生中継サイト(動画ではなく、盤面が1手ずつ進んでいくだけのサイト)があったので、パソコン上に棋譜中継サイトと仕事のテキスト画面と資料の画面を2つの計4画面を開いて、パソコン上に全部を並べられないので一番下に棋譜中継サイトを置いて、左の端に将棋の盤面だけが見えるように上から仕事の画面を重ねていって、パソコン画面の左端に見える途中経過を確認しながら、昼からずっとパソコンで仕事をしていた。

 今回の対戦は上記の通り、「組」も「段」も渡辺の方が上。名人戦のベースとなる「順位戦」でも藤本はC級2組(来期はC級1組に昇格)、渡辺はB級2組だから、藤本にとっては一応“格上”との対戦ではある。けど、これまで何度も格上を破っている藤本だから勝機は十分あると思って見ていたのだが、夕方5時半頃の中盤から終盤に向かうあたりになって、どうも状況があまり芳しくない。渡辺にほぼ一方的に攻め立てられていて、いや、解説がほとんど付いてないしAIの形勢判断バーも付いてないサイトなので素人の私にそう見えただけかもしれんが、そのうちとうとう、素人目にも「これ、どうやって受けるんだ?」という局面になったその時、藤本が当面の戦場から離れた所の歩を突いた。

 「ん? どうした? これはもうどうにもならんと思って、受けをあきらめたのか?」と思っていたら、そこで渡辺の手がピタリと止まった。何だ? 何か藤本が意表を突く奇手を放ったのか? 逆転の目があるのか? 大逆転するのか? 

 私はワクワクしながら渡辺の次の一手を待った。しかし、渡辺は指さない。30分経っても、1時間経っても、盤面は一手も動かない。サイトが更新されてないのかと思って何度か更新ボタンを押してみたが、盤面は変わらない。しまいに再起動までしてみたが、やはり盤面は一手も進まない。これは、渡辺に大きな誤算が発覚したのか?!

 そしてついに7時過ぎ、渡辺が動いた。と同時に、画面の盤面の下にコメントが1行出た。

「夕食休憩を終えて再開」

 メシ食ってたんかい!

 それから局面は好転することなく、なし崩しに藤本は押し切られました。ま、ええか。次は王将戦の二次予選じゃ。相手は強豪ばかりだけど、3連勝して決勝リーグに進出することを期待しよう…という本日の夜。仕事は将棋に気を取られながらも、ほどよい緊張感と集中力が保たれて、ちょっと進みました。