『超麺通団5』、行くか?

 某日本出版社の内某さんから、「『超麺通団5』を書いてくれませんか?」というメールが入っていたので、返事を書こうとして、「書いてもいいけど、何を書く? うどん店の客観的な基本情報はネットの中にたぶん全部あるし、まあメンテナンスが不備で間違っているものも散見されるけど、対して主観情報もネットやSNS内にものすごくあふれているし、まあその大半が素人さんの主観で、麺通団的に見ればトンチンカンな解説や感想も散見されるけど、とは言ってもそもそも麺通団的な主観が今日のユーザーのニーズに合致しているのかどうかも怪しいし、もし今の素人さんの主観の方が主流なら、そこに麺通団的視点を今さら書いて出すのも余計なお世話かもしれんし、しかしそこであえて書くなら、切り口としては…」とか返信メールの文面を考えていたらまどろっこしくなってきたので、電話した。

 数年前、某社のT本さんという姉さん(笑)が職場でクライアントに電話をしていたら若手社員に「T本さん、“電話野郎”ですか」と言われたという話を聞いたのを思い出したが、最近の若いもんは極力電話を避けてメールでやり取りをするそうで、私も『インタレスト』の学生との間で「ホウレンソウ(報告、連絡、相談)」の「ホウ」と「レン」のうち短くて済むようなものはメールでやり取りするが、「ソウ」はどうにもメールではまどろっこしくて、あるいは「指示」も詳細を漏れなく伝えようとすると長くなってしまって、そういうやり取りをメール用にロジカルな文章に整理していると電話の5倍も10倍も時間がかかってしまうので、「何でもメールで」という習慣にはどうにも慣れん。

 “メール野郎”(笑)の皆さんは、どうやってるんでしょう。長い内容でも、短いやり取りをものすごく頻繁に繰り返してクリアしているのか、それとも、そもそも長い内容のやりとりなんかしないのか、さすがに長くなりそうなやり取りは電話するのか…。まあ、電話にもメールにもそれぞれいい点もあれば悪い点もあるし、要件が十分なクオリティでクリアできるのならメールでも電話でもいいと思うのだが、メールに依存しすぎて「対話嫌い」や「対面嫌い」になってしまうと、やっぱり人間の集合でできている社会の中でいろいろやっていくのに不都合になる場面の方が多いような気がするのが昭和のおっさんの中の一人である私の価値観である。

 というわけで、内某さんと10分ぐらい電話でやり取りした結果、最初はのらりくらりと逃げていたのに話の流れの中でうっかり「行きますか」と返事してしまったのは「電話の悪い点」の一つかもしれん(笑)。まあ言われてみれば、『超麺通団4』からもう14年も経ってるしなあ。ごんやH谷川君や谷本姉さんやK米君を巻き添えにして、ちょっと苦しんでみるか(笑)。